幸福な食卓への過程たち

f:id:funkeln74:20180612002046j:plain自分が作った料理を食べることにようやく安心感と美味しさが付随してきてくれるようになった

自炊を始めた最初は、分量を平気で間違えたり、ふわふわにしようとした卵をぼろぼろに分離させてしまったり、秋刀魚を三枚におろしたはずなのに二枚にしかならなかったり、玉ねぎ一つ切るだけでものすごい時間かかったり、とにかくダメダメだった そのくせたまにしかやらないから全然上達なんてしなかった バイトでご飯を食べられたのもあまり自炊をしなかった理由の一つだった

去年就活でバイトの頻度を少なくしてから、夜に時間が出来ることが増えた せっかくだからこれを機に料理を作ってみることにした 幸い今は携帯で調べればレシピも出てくるし、料理のアプリも充実している 初心者が料理を練習していくには十分すぎる環境にあった

モチベーションを上げるために料理の写真を載せるためだけのインスタアカウントを作って、ちょくちょく載せていた 知り合いは誰もフォローしていないけど、ハッシュタグから来たのだろう知らない人達にいいねされるのはなんとなく気合が入った 去年の5,6月で、ここ3年分での料理数より多い数の料理を作っていった

就活が長引いたり料理する気にならなかったりで一時は離れてしまったけれど、それでも時間を見つけてたまに料理をしていった 少しずつ、本当に少しずつ、手際というものを掴めてきたのはこの頃から

7月と11月に、お家居酒屋というていで家に後輩を呼んで料理を振る舞った 人にごはんを食べさせるのは気合が入る 美味しいといってくれたのがとても嬉しくて、頑張ってよかったなって思えた そして人と食べるのはとても楽しいしいつもより美味しい

フレンチトーストを友達に振舞ったりもした オムライスを作る時にはうまく扱えなかった卵を使って浸して焼いたパンは、今度こそふわふわに膨らんでくれた

年が明けてから忙しくて、会社に入ってからは慣れるのに必死で、中々料理をする時間が取れなかった カレーを何回か作ったり、お弁当を作ったことはあったけれど、すぐ三日坊主になってしまう 仕事の疲れもあって、帰りがけに見る美味しそうなご飯に釣られ、外食ばかりの日々が続いた

 このままじゃいけないと、今日は久しぶりにちゃんと一から晩ご飯を作っていった 母からの差し入れであるレトルトの味噌汁以外は全部手作り 手際はちょっとだけ鈍って、コンロが一つ減ったキッチンで作った料理たちは、確かにしっかりと美味しくて、不恰好な料理を前に嬉しくなってしまった